KOTALOG

人間は考える葦である

暖かいCANDY

 暖めた飲み物が冷めた時、すごく残念な気分になる。「もう冷めちゃったか」という言わば喪失感の様な。例えばホットミルク、ココア、番茶、みそしる。

 

 なぜだろうか、実家で暮らしてた頃は良く「なして味噌汁冷めてから飲むのさ!」と母に言われながら、いつも冷めた味噌汁を最後に飲んでいたのに。

 

 夏にキャンプ用のバーナーを買ったので、良い機会と思ってチタンのマグカップを買ってしまった。勿論アウトドアでは重宝しているが、最近はもう使い心地が良すぎて良すぎて日常的に使ってます。

 

 ここまで書いたけど、書き始めの時に思い描いていた「どんな記事にしようか」という青写真を忘れてしまってどうしようと思いながらただ徒らに書いている。

 

 思い出した。Mr.Childrenの「CANDY」だ。

 

 

 何の脈絡も無くとある曲名を出されて読者の皆さんは「は?」という気分かとお察しする。

 

 僭越ながら、僕はMr.Childrenのファンだ。親の車の中で流れていた影響か昔から好きだったが、本格的にハマり始めたのは高校2年の春だ。経緯を書きたいところだが長くなりそうなので割愛する。気が向いたら書こう。

 

 

 話を戻そう。Mr.Childrenの「CANDY」

とは、アルバム「I LOVE U」に収録されている曲だ。是非みなさんに聞いてほしいので多くは語らないが、歌詞とメロディーがとても暖かく、それでいて何処か切なさを感じさせる仕上がりとなっている。

 

CANDY

CANDY

 

 

 僕がこの曲を聞いたのは高校二年の秋。ちょうどMr.Childrenという沼に片足を突っ込み始めたくらいの時期で、近くのGEOでたまたま借りたアルバムに収録されていた。自転車通学の期間も終わり、歩いて通学していた秋の暮れにずっと聴いていた。それこそ、部活終わりにコンビニで暖かいカップラーメンを啜り、かじかんだ手を制服のポケットに突っ込んで歩き、暖かいご飯を作って待ってくれている家族の元へ向かった。

 

 そして僕が言いたいのは、「音楽には記憶が宿り得る」という事だ。

 

 長い間聴いた曲には、当時の思考がまるで宝箱の様に閉じ込められ、再びその曲を聴いた時に全く色褪せない鮮明なその記憶が蘇る。

 

 僕はこの曲を聴くと、新人戦に向けて部活に打ち込みつつも、進路に悩み、人間関係に悩み、と順風満帆ではないにしても中々充実していた高校二年の秋を思い出す。

 

  少しばかり思い返して欲しい。部活や受験の時に勇気をくれた曲。恋するあの人を想って聴いた曲。一生の友人と聴いたあの曲。

 

 もし1つでも思い浮かんだら、少し掘り返して聴いて見ては如何だろう。もしかしたら、すごく懐かしい気持ちになるかもしれない。

 

 

 IoTやAIと言った科学技術が目まぐるしく発展し、データが何よりも価値を待ちつつあるこの時代。SNSに写真と文、動画をアップすれば半永久的にその思い出を保存できる。

 

 しかし、どれ程端末に音楽を保存し、どれ程SNSを駆使しようとも、瑞々しい記憶を曲に閉じ込める事など出来はしない。テクノロジーでは再現しようのない領域なのだろう。

 

何度も使い古されたフレーズだが、その通りだと感じる。音楽の力は凄い。

 

ではまた。